《MUMEI》
若菜
...








「明日から夏休みだが、あんまりだらけないこと。課題はしっかりこなせ。以上」





担任はそれだけ言って教室から出て行った。




適当な…。



あんな先生がいるから、生徒も駄目になるんだよね。




「らーん♪」



いきなり、私に抱きついてきたのは坂下 若菜(サカシタ ワカナ)。



実は…



山本 杏菜に命令されてたうちの1人。



だけど、



山本 杏菜みたいに酷い人なんかじゃなかった。



明るくて、頼れる……そんな子かな。




「夏休み中、どっか行こうね!!」


「もちろん」



「あのさ〜今日、一緒に帰れるかな??」



「帰れるよ」



「じゃ、帰ろ!!蘭☆」



若菜は笑うと、子供みたいに可愛い。



ギャル系な子だけど、私が嫌いな性格が悪い人なんかじゃなかった。



寧ろ、性格がいい。



そして、
若菜には1つ上の彼氏がいるらしい。



高校は違うんだって。



若菜の彼氏はどうしても行きたい男子校があって、其処に行っちゃったらしい。




「そういえば、蘭さぁ〜…龍クンと付き合ってる!?」



「えっ…付き合ってないよ…!!」


龍と私が……



付き合うわけないし…。



「まぢ!?なら、問題ないね!!実は私にさ〜1つ上の幼なじみがいるんだけど……蘭の話したら"会ってみたい"って言ってさ〜会ってあげてくれない??ちなみに男ね!!」



男の幼なじみかぁ…



まだ、人を完全に信じきれてない私には厳しい…。



だけど若菜の幼なじみだし…



断れない……



「……………いいよ」



「本当!?ありがとう!!」





平気





だよね??





大丈夫







だよね??







若菜の幼なじみだし…






何も問題ない…よね…













・ーー

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫