《MUMEI》
若菜の幼なじみ
・・






蝉の鳴く声が聞こえる。




もう、夏本番……。














7月25日





私は学校の校門前にいた。




今日は若菜の幼なじみに会う予定……




どんな人かな…




若菜の話によると、



女子にはかなりモテるらしい。


見た目は、少しチャラい感じ。


秀斗とか、龍みたいな感じの人かな…。



性格はよくて、頭もいい。
スポーツではバスケが得意。



モデルのスカウトをされたこともあるとか……。






もうすぐ、約束の時間。




早く来ないかな…。














「君、神谷 蘭??」






いきなり声をかけられ、びっくりした。




振り返ると、其処には若菜が言ってた通りの人が…。




「あっ…はい…神谷 蘭です」




「うっわ!!マジ!?若菜より可愛い!ってか、髪綺麗!」




「どうも……」




「俺、中嶋 陽斗(ナカジマ ハルト)!!よろしくな♪」




彼―…陽斗は笑うと、子供みたいに可愛かった。



……男っぽいのに…。




「"陽斗"って呼んで!!"蘭"って呼んでいい??」



「はい…」



「1つ年下だからって、敬語使わなくていいから!!タメ語でよろしく!」



「あっ…はい」



「だーかーらー、タメ語!俺、敬語使われるの苦手だから!!次敬語だったら罰ゲーム!!」



「えっ…えっと、あっ…はい…」


…………あ…………。



敬語……使っちゃった……。



私って、



馬鹿だなぁ…



散々、人のこと馬鹿にしてたけど……。




陽斗は、不適な笑みをうかべながら私を見つめた。




「蘭〜早速かよ??
罰ゲームな!!」




あーぁ…



年上の罰ゲームって、どうゆうのなんだろう…??





陽斗は、私をじーっと見つめている。



こんな綺麗な瞳に見つめられたら、


誰だってドキドキするだろう…






気づくと、



陽斗の顔は目の前まできていて


今にも、



唇が触れそうな感じ。




「蘭〜…可愛い♪」




「あっ…」




そう言った時には、




もう遅かった。





私の唇は陽斗に



しっかり塞がれていた。






陽斗の唇が離れた時、





さすがの私も顔が真っ赤だったと思う。





「ごちそうさま♪」





「/////」





陽斗は満面の笑み。
私の顔は真っ赤。





「蘭が敬語使う度に、キスだから☆
蘭が敬語使えば使う程、激しくなるからね??
最終的には、キスじゃ終わらないかも……な♪」





若菜の幼なじみは、






チャラくて、





無邪気な笑顔をする……









"イケメンS王子"







だった…………









..

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