《MUMEI》 図書館で. それから、 陽斗とはメアドを交換して、携帯番号も交換した。 陽斗からのメールは、毎日おくられてきた。 同じく、秀斗からのメールも。 暇だった私は一応、返事は返していた。 夏がくると 私は思い出すんだ。 嫌な思い出を―… だから 夏はあまり好きじゃない。 特に、 8月のあの日は―……… 楽しい思い出がないんだ。 「蘭ちゃん、此の問題…教えてぇ〜!!」 7月のある日…… 何故か私は、ある図書館に…。 前には秀斗、横には龍。 今やっているのは、夏休みの課題。 「秀斗……こんぐらいわかんだろ」 「俺は龍と違って頭の出来が悪いんです〜!!だから、蘭ちゃんを呼んだ☆」 「秀斗…此処、図書館なんだから静かにしなよ」 「はぁ〜い……」 秀斗は大人しくなり、問題を解き始めるが…… 直ぐに手の動きは止まり、机にうなだれた。 全く…… 「秀斗…此処は―…」 「おー!蘭だ!」 はい……!? 私は声のした方を見た。 やっぱり…… 其処にいたのは―… 陽斗……。 龍と秀斗は唖然としていた。 「何だよ〜勉強会??蘭は先生??」 「いや…別に…何で此処に??」 「ちょっと調べたいことあってさ!!偶然だな♪」 「そうですね…………あっ……」 ヤバ……イよ… 敬語…… 「蘭てば…もしかして、忘れてた??」 どうしよう… 秀斗と龍がいるのに―…。 陽斗は龍と秀斗を見た。 「他の2人も……俺と同じような奴だし、平気だな」 いや… 平気じゃないし……。 秀斗と龍は、意味が分からなそう。 どうしよう…。 「蘭、こっち向け」 私は強く首をふる。 「蘭てば〜恥ずかしがり屋だなぁ☆」 恥ずかしいに決まってる! きっ……キスなんて人前じゃ出来ない。 私は立ち上がり、トイレに行こうとした。 だけど、陽斗が私の腕を掴んで離さない。 秀斗は、私を見てトイレに行こうとしていることが分かったのか、陽斗を引っ張った。 龍は私たちを見ながら、呆然としている。 「ちょっと…離せよー!!」 陽斗は秀斗に言う。 だが、秀斗は陽斗を離さなかった。 「クッソ!」 陽斗がそう言うと、秀斗は思いっきり陽斗を引っ張った。 そして…… 私の腕は、陽斗から離れ、更にバランスを崩した。 「あっ!!」 「あ…」 陽斗と秀斗が順番に言った時に私は既に倒れかけていた。 そして―………… ―ドサッ 「蘭!!!!!」 「龍!!!!」 2人の色々な感情が入り混じった声が聞こえた。 私は今の出来事に驚きを隠せない。 だって、 私と龍の 唇が重なってたんだから―…… .. 前へ |次へ |
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