《MUMEI》

 忍は、布団の上に足を伸ばして座っている俺に近寄り、膝を突然突いた。

 膝でにじり寄って俺の足を跨いだ。
俺は思わず後ろに体を傾けた。
忍のその背中はあくまでも健康的に反り、そのため臀部は後ろに突き出されたように見える。

胸の突起は薄い絹のタンクトップの上に突きだし、その甘い匂いの息を吐く口は、俺の口の30センチほどに近づいた!

「シャワー浴びようかと思ったけど・・・我慢出来なくなっちゃった。汗くさいの嫌?」

 俺は首を横に振った。だが忍の瞳は俺の目を射続ける。

 俺は忍の言葉に逃げ腰になった。これが現実なのか分からなくなった。

相手は男の子で高校生なのだ!

じっと見る忍に言い訳をするように言った。

「あ・・・鳥居がなんて言うか・・・」

 忍は顔を顰めた。こんな場面で兄の話などしたくない。

責める様な口調で、

「兄貴なんか関係ないよ!関係あるの?許可取んなきゃ駄目?」

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