《MUMEI》

「い・・・いや・・・そういうことじゃ・・・」

 忍は俺をじっと見上げた。
 腕を前に突いているので胸が盛り上がり、成人の女のように艶めかしい。

「・・・してくれるか・・・?」

 忍はにっこり笑って頭を被せた。

 忍の舌が俺の亀頭の表裏を舐め回す。
 射精に導くには、喉を使って深く入れ、出し入れしなくてはならない。
 忍はまだそこまで知らない様だ。

 だが、恋した者に自分の最も汚らしい器官を含まれる気分は、俺の生殖中枢を刺激しだした!

 俺は腰を上下させる代わりに忍の髪を掴み出し入れさせた。だが、最後までいくには、忍にかなりきついことをさせなければならない。
 俺はそんなことは忍にしたくなかった。

 達することが出来ない感覚はますます俺の挿入への欲望を高めた。

「し・・・忍。もう、嵌めてくれ」

 忍が口を離すと俺の亀頭から俺の体液と忍の唾液が混じり合い、つつと筋を引いた。

 ティッシュで粘液を拭き取り、忍がぎごちない手つきで、俺の茎にコンドームを嵌めていく。

 これから自分の肉体の中にこれが挿入されるということに震えているようだ。

 忍が何か言おうとするのを俺は先を征した。

「吾郎と呼べ」
「・・・じゃ、吾郎・・・やさしくしてくれる?・・・はじめてだから・・・」
「ああ。俺だって」
「えっ?ほんと?」

 忍はびっくりした顔をした。

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