《MUMEI》 『トモダチ』 …それは、おれにとって とても心地いい響きを持つ言葉だった。 「…はあ??カジノ、何言ってんだ?? このヘンな犬が友達ィ!?」 『クワタクン』はそう言うと、大声で笑い出した。 「そうだよ。…友達だ」 真直ぐな目をして、『トモ』が言う。 「…あ〜…付き合ってらんねえわ!! ―じゃあ、オトモダチと、仲良くな!!」 バカにするように笑いながらそう言うと、 「ほら、行くぞ!クラウン!!」 犬をひくリードを引っ張った。 『クラウン』と呼ばれたそのキレイな犬が 最後におれに向けた瞳は、 どことなく、寂しそうだった。 『クワタクン』が去った後、 おれは恐る恐る『トモ』を見上げた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |