《MUMEI》 「お前の馬鹿力でその紙の上の力晶を砕いてくれ」 「で、どうなる?」 「良いからやれ」 「…わかった」 リツは仕方無さそうに返事をして拳を握った。 「…ふッ!」 リツが拳を振り下ろすと、 力晶はガラスが割れるような高音を発して割れ、下の岩にもヒビが入った。 紙は僅かに曲がっただけだった。 「よし。良くやった」 ジンは満足げに頷いてF's LIGHTを操作し始めた。 リツが聞く。 「何してるんだ?」 「データの整理」 「…で」 リツは砕けた力晶が乗ったままの紙を指した。 「あれはどうするんだ?」 「放っとけ」 「………」 腑に落ちない様子のリツに、ジンは穏やかに言葉をかけた。 「ただ待つことも、努力の一つだぞ、リツ。」 ※※※※※ 前へ |次へ |
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