《MUMEI》 3塁ベース・コーチ兄貴『来たぞ!行けェ!!』 その声に、オレ達のトップを脅かすオレンジ色のマシンが後ろに迫って来ていることを察した。 オレはスロットルを 9000rpm まで勢いよく煽り、クラッチを繋いだ! パラアアアアァンッ !! 弾かれたようにピットを飛び出す NSR ! ピット・ロード出口に向けて加速を始めるオレの背後には、ゼッケン19のチーム監督が、右腕をグルグル回してパンチパーマにペースUpの指示を送っていた。 その姿は、まるで野球のランナーにホーム突入の指示を下す、3塁ベース・コーチのようだった。 それはサインボードが間に合わなかったことに伴う代替的なジェスチャーだったが、実に端的で解り易いサインだった…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |