《MUMEI》
奇妙なコトバ
「あたしのバカーっ!!」
あたしは部屋に戻りベットに突っ込みながら叫んだ。
「煩いわ律」
「そして何気に人の菓子食ってるなー!!」
あたしは椅子に腰掛けながらお菓子を食べる蜜を指差して叫んだ。
「だから煩いわ律・・」
蜜は未だにお菓子を食べている。
「乙女の気持ちを解らないなんて蜜はお子様ね♪」
あたしは鼻で笑いながら言った。
「あんたの目は節穴ね‥あたしにだって彼氏くらい居るわよ」
「え゙!ちょっと‥初耳よ!なんで教えてくれないの!?名前は?」
あたしは身を乗り出して、蜜に顔を近づけた。
蜜は最後のチョコ棒を頬張った。
「静かにしてればねー‥」
「‥っし‥静かにします!」
あたしは口を手で塞いだ。
「そのまま3時間ね‥」
蜜は手近にあった雑誌を読み始めた。

蜜の前ではしゃべり出してしまいそうなので、あたしは渋々、店番をすることにした。
あたしがカウンターに俯せになっていると、引き戸が開く音がした。
「あっ…いらっしゃいま……相澤さん」
ドアの近くに立っていたのは雲雀さんの彼女の相澤さんだった。
「こんにちは。なにかお探しですか?」
「ええ‥Serialの最新号を‥」
「あ‥そこですよ」
あたしは雑誌売場を指差した」
相澤さんはそこから一冊取ってレジに来た。
「店番とは‥偉いですね」
「いえ‥暇なものですから‥350円です」
あたしは苦笑いを浮かべながら言った。
相澤さんはぴったりのお金を白の財布の中から取り出した。
あたしは品物を差し出して頭を下げた。
「ありがとうございました」
相澤さんは笑顔で後ろを向き、引き戸に手をかけた。
「‥‥律ちゃん‥よね‥?」
「‥?‥はい‥」
相澤さんは外を向いたまま、
「雲雀に‥あんまり近づかないで‥」
と言って、勢いよく扉を開けて去っていった。

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