《MUMEI》
美味
『…は…?』
木名瀬君が片眉を吊り上げた。

吉沢充彦は首を横にブンブン振っている。
『ぼっ…僕は知らない!机に置いてあった!』
『ふーん…』
木名瀬君は手にしていたチョコケーキをかじった。

『ちょ…木名瀬君汚いよ…』


『美味い』


―ドキン
木名瀬君の笑顔が嬉しかった。

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