《MUMEI》
躊躇
直角コーナーのインをかすめて立ち上がったオレンジ色の NSR が、何かに驚いたような挙動を見せて減速した!

それはコース上で何らかの障害物に出くわしたときのリアクションのようにも思えた。


オレも直角コーナーを同じラインを辿って後に続くと、俄かに奴との差が詰まっていた!

その好転の兆しを見たオレは、ハッとなった。


それはチャンスと言うには、あまりにも心もと無い光だったが、勝負を諦めかけていたオレの闘争心を再燃させるには十分なものだった!


(まだ諦めるな!…)


オレは僅かに近づいたオレンジ色の背中を睨んで、自らに言い訊かせた!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫