《MUMEI》 突然のパンチパーマの減速… その理由は、以外なものだった。 オレの位置から、パンチパーマの前に1台の周回遅れのマシンが立ち塞がっている様子が窺えた。 どうやら奴は、そのマシンを右から抜くか左から抜くのかで迷ったようだ。 迷ったと言っても、じっくり考えるほどの様子でも無く……… それは、ほんの一瞬の躊躇と呼ぶべきものだった。 だが、そんなコンマ1秒程度の気の迷いが、勝負を左右することもまた常だ。 敗北を覚悟したオレに光をもたらしたように…。 前へ |次へ |
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