《MUMEI》 (おめでとう…) …と健闘を讃えたいところだが、生憎今のオレはそんな心の余裕など持ち合わせていなかった。 とにかくオレは、パンチパーマのケツに喰らい付くことだけを考えてマシンを操っていた。 JOG のライダーは、浅い前傾姿勢のままS字クランクの手前で後ろを振り返った。 おそらくその目には、オレンジ色と赤白の2台の NSR が映ったことだろう…。 横暴なパッシングで他のチームから疎まれながらも、トップを走るゼッケン19のマシンと… そのトップを僅差で追い上げるゼッケン8のマシン… バック・マーカーならば、後ろから来た速いマシンにラインを譲るのが基本的なマナーなのだが…。 彼の裁定は、オレンジ色のマシンに対する、全てのチームの憤慨を代弁したものだった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |