《MUMEI》
名前
『なあに?』
あたしは小さく首を傾げた。



『…これから…木名瀬君…じゃなくて…啓志…って…呼んで…くれる?』



あたしは顔をほてらせながら小さく頷いた。
『ホ‥ワイトデー‥楽しみにしてるね‥け‥啓志‥』

啓志は嬉しそうに微笑み、優しくあたしを抱きしめてくれた。


―初めての彼氏とのバレンタイン‥。
―初めての手づくりチョコケーキ‥。



―あたしの心には幸せが溢れていた…。

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