《MUMEI》
†転落†
「潜入成功〜!偽の制服も作ったし、怪しまれないよね♪」
その頃るりは、人間界のとある中学校へ侵入していた。
死神界の皆には『人間観察』なんて言っちゃったけど、そんなの真っ赤な嘘。ただ人間界を気に入っちゃっただけ。人間界と死神界はほとんど違いは無いけど、私はなんとなく人間界の方が好き。
私は音楽が好きだから、人間界の音楽を気に入っただけかもしれないけど。
「屋上って、風が気持ちいい〜♪」
るりは、屋上のフェンスに座った状態で、一人嬉しそうに唄を唄っていた。
そのとき、
プツン
と音がして、死神にとってとても大切なネックレスが、下へ落ちてしまった。
「あっ!」
このネックレスは、持ち主が飾りをパチンと一回回すと、鎌が出来る仕組みになっている。
つまり、これをなくすと仕事が出来ない。死神にとっての非常事態だ。
何も考える前に、るりは屋上からジャンプしていた。
なんとかネックレスを掴むことは出来たけど…。どんどん地面は迫って来る。
「げっ。」
考えなしに飛び降りたせいだ。このままでは、転落死してしまう。
るりは鎌を出し、棒高跳びの棒のように、鎌を思い切り地面に叩きつけ、身体を思い切り持ち上げた。
なんとか死は免れたけど、るりは手を滑らし、鎌を離してしまった。
どすんっっ
鈍い音がして、るりは尻餅をついた。
「いたた…。…あれ?」
固い筈の地面が、柔らかい。
下を見てみると、人が寝転がっていた。
「きゃーーーーーーーっっっ!!?スミマセン大丈夫ですか!!?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫