《MUMEI》 タダイマガラガラッ 教室のドアを開ける 「みんな、ただいま〜」 「・・・涼哉、早いな」 伸介が言った 「本当はもっと早く来る予定だったんだけど、思わぬことがあって、ね」 僕が出ていってから十五分経っていた 「・・・それよりも涼哉、手放したらどうだ?」 「へっ?」 繋いだままだった 「あぁ、逃げられると思って」 手を放した 「・・・ありえるな」 「ちょっといい?」 真樹が口を挟む というかいきなり出てきてびびった 「どうしたの?」 「涼哉君って先生と知り合い?」 「まぁ、そうだね」 「どこで知り合ったの?」 追及してきた 背中に寒気がしてきた どう言おうか考えていると葵姉が助け船を出してくれた 前へ |次へ |
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