《MUMEI》
チェック・メイト
だが………


パンチパーマのマシンは、U字コーナーへ向けて、オレよりも僅かに早く立ち上がった。


(ナニ…!!?)

なんと奴は、U字コーナーへのパッシング・ラインをブロックしながらアプローチを開始したのだ!


それは、オレの差しを警戒してのライン取り…

言い換えれば、ゼッケン19のチームの勝利を更に磐石なものにするためのライン取りだった。


(…読まれていた………。)

オレは奴のインを刺すタイミングを完全に逸したことを察し、只呆然とオレンジ色の NSR の挙動を見送った…。


パンチパーマは、巧みにインを閉めてコーナーに進入しようとしていた…。

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