《MUMEI》 哀愁の人影焦りに血走ったオレの目が、コースのある一点に釘付けとなった…。 それは、夕陽を浴びながらU字コーナーの外側をトボトボと歩く人影だった。 エンジンの掛らぬ NSR を押して、チェッカーを受けようとする一人のライダーの姿が其所にあった。 (アイツは………!?) その息絶えたマシンのカラーは、青と白… 傷だらけのゼッケン・プレートには……"1"のナンバーが記されていた… そしてマシンを押しているのは… 173周目にパンチパーマによって無念の転倒を余儀なくされた、ラパイド2号だった…! 前へ |次へ |
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