《MUMEI》

オレの脳裏に、彼が駆る青白の NSR の後ろ姿がリアルに浮かび上がった。


あれはオレの1st ルーティーンの98〜100周目のことだった。


最小限の力で相手をねじ伏せるラパイド2号の走りに、オレは力の差をまざまざと見せつけられた…。


ラパイド2号の速さ・強さの秘訣は、愚直なまでにレコード・ラインをトレースし続ける堅実さにあった…。


(…"レコード・ライン"……!?)

その時、オレの頭の中を支配していた、漆黒色した絶望の中に一筋の光が射し込んだ…!

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