貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》
茜)
ほんとですか〜。ありがとうございます。まだ、何となくですが自分のことがわかりました。
今日は不思議な体験というか、思いもよらない変わった占いでしたけど、自分にとって良かったと思います。
また、いろいろ考えてみて何かあったら来てもいいですか?
占)
ハイ、いいですよ。私はいつでもここに座っていますから。
茜)
(「自分はこうあるべきだ、人もこうあるべきだ」って確かにそういう感覚は強いかなぁ。
「人に対して思いやりを持たないといけないと思う気持ちが強すぎるから、
人もそうしていないといけない」って気持ちになるのか。
自分の価値観の枠の中で人を判断しがちかも。この自分が強すぎるから損をするのかー。
なるほどね。この自分を見直していけば良いんだ。
あ、そうだ、今日は清掃グッズと開運用のカーテンを買いに渋谷に来たんだった。
こんな時間だ、急いでやる事はやらないと・・。)
(なに?この人、信号が赤に変わったのに平気で歩いてるし。
うわっ、この人たち、変なカッコして道端でしゃがみこんじゃって、みっともない、
通行の邪魔でしょう! あ、女の子をナンパしてる、女の子もうれしそうにしちゃって、
ほんとバカじゃない! メールしながらダラダラ歩くと邪魔でしょう、サッサと歩きなさいよ!
エレベーターに乗るの?乗らないの?みんな待ってるでしょ!
この店員、商品のこと全然わかってないけど、いいのこれで?この店、大丈夫?やる気あるの?)
(あ〜、あれも買おうと思って行ったのに忘れてしまった。
なんでちゃんと確認しなかったんだろう。私はなにやってんだろ。
あ〜、こんな掃除の仕方では開運できない!もっときれいにしないと!
明日はここをもっときれいにして、あとは金運の黄色の物を駅前で買って来ないと・・。
忘れないようにちゃんとメモしよう。これでよし!さあ寝よう。)
―蒲団の中、ふと今日の占いのことを思い返していた。―
(ひょっとして私って自分に対しても人に対しても「こうあるべきなのに、
どうしてちゃんとしないんだ」ってそればっかりを一日中やっていたんじゃないの?!
どうしよう、どうすればうまくちゃんと変われるのか、またオバサンに聞いてこないといけない!!)
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