《MUMEI》

あたしは、何のためらいもせず、トイレの扉を開け中に入った。




中はいつものトイレではなく部屋だった。



真ん中辺りには、黒い子が椅子に座っていた。


「ようこそ、扉の中へ。」


「あなた誰?泥棒さん?」


「僕は泥棒ではないですよ。」


「じゃあトイレさん?」


あたしは普通に言った。

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