《MUMEI》 商人さんは、あたしに近づいてきた。 「何を?あっ!」 あたしは、思わず口を手で押さえてしまった。 商人さんの左腕がなかったのだ。 たまたま、来ていたマントから一瞬見えてしまったのだ。 「すみません、怖がらせてしまいましたか?」 あたしは、何も言わず横に首を振った。 商人さんは左肩を押さえながら更に近づいた。 あたしの前まで来た。 前へ |次へ |
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