《MUMEI》

ピーンポーン……


ピーンポーン……





「幸紀!晴香ちゃんが来たわよッ」



学校に行く時間だ。





私は階段を駆け降りる。


玄関には晴香ちゃんが待っていた。
晴香ちゃん。いつもより早いなぁ。そんなことを思っていた。


「おはよう。幸紀」


晴香ちゃんはふわっと笑った。


幼馴染みの晴香ちゃんは、気が強くて、可愛くて、優しいからクラスの人気者だ。


私と晴香ちゃんが出会ったのは、5歳の頃。


ウチの隣に引っ越してきたのが晴香ちゃん一家だった。


それから晴香ちゃんと私は仲良くなった。

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