《MUMEI》

「他には何されたんだ?」

「他?そやなぁ〜。後は男に売られたり、定番のいじめぐらいやな。あれは、辛かったわ。今、思えば笑えるくらいに。」


そう言って男は笑い出した。


「なんで笑えるんだよっ。苦しかったんじゃないのかよ。」


男は笑うのをやめた。


「そりゃあ、苦しかったわ。笑える理由わな、死んだからや。死んだら苦しめないんや。いや、何もする事がなくて苦しいけど、そんなん苦しいに入らん。もう、笑うしかやる事が無いんや。」





なんだよそれ。
死んだら苦しみから解放されるけど、やる事がないのかよ。

でも、苦しいよりいいじゃんか。




「こうやって、お前みたいな奴をバックライフさせる仕事が来るまで暇やった。ある意味の拷問やわ。だったらまだいじめでもいいから、誰かと話がしたいわ。」

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫