貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》

所)
大丈夫!あの部、貧しくてさー、フォークソングの魂くすぐっちゃうような古いマイクやスピーカーをまだ使ってて、
俺が修理してやってんだから!自由に使えるんだよ。


所)
ネエ、茜ちゃん。ここはこうした方がいい?それともこうがいいかなー。

茜)
後の方がいいね。それをこう変えていくと、もっと良くならない?
ここはこんな感じの詩にするの、音と合うでしょ、どう?

所)
いいねー、それ!それで行こう。
ところでなんでポンポン詩やアイデアが茜ちゃんは出てくるの?不思議だねー?

茜)
うーん。高校の時まではよく詩なんかを書いてたの。それに曲を付けたりもして。
で、ライブハウスとかにもよく行ってたんだけど・・。
ライブなんて聴いちゃうと、みんなうまいしすごい人ばっかりでしょ。
かえって自分なんてダメだなーって思うようになって、いつの間にかやめてしまったの。

所)
ふーん。ところで来月さー、小さいライブもできる「北斗」っていう飲み屋で俺出るんだけど、
一緒に出てくれない?

茜)
いきなりなに言ってんの?無理無理。だからライブなんて私が出れるわけないじゃん。

所)
全然、大丈夫!俺の実家は酒屋でしょ。
北斗のオーナーがすっごく飲みたがってた幻の日本酒あったからクスネテ持っていってあげたの。
もう喜んじゃって、今はなんだっていうこと聞いてくれるの。俺の曲と茜ちゃんの曲をそこでやろう!絶対いいと思う。
うわー。想像するだけで楽しくなっ
ちゃう!ネエ、高校の時、どんな曲作ってたの?やって見てよ、今日の俺はツイテルナー。

茜)
えー、いつも空が好きで雲や夕日なんかを見ながらつくった詩を中心にした曲ばっかりなんですけど・・。
(アー、話が通じてない。そうじゃなくて私なんか他の人と比べてうまくもないし、
いい歌でもないし、いきなりライブに出るなんて無理に決まってるでしょって・・。)

所)
いいねぇー、茜ちゃんすごいじゃないの。

前へ |次へ

作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ