《MUMEI》
エールに誓う
2台の NSR の前に、最終コーナーが迫って来る!

車速は 70km/h を超え、風切り音が騒がしく耳奥に鳴り響いていた。

しかしそれ以上に騒がしかったのは、壮絶な最終ラップのバトルに興奮したギャラリーの声だった。


『ワアアァッ !!』

観客と他のチームの人々からは、トップ争いの2台に黄色い歓声が贈られてきた。

無論その声援を一身に受けるのは、ヒール役がすっかりハマったオレンジ色のマシン…

ではなく…

唯一の対抗馬である、鈍亀のオレだった…。

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