《MUMEI》

茜）
人が大切にしているものを大切に思う気持ち？私は何が大切なんだろう？
自分の大切な物が自分でもよくわからない。

占）
大丈夫だよ。
今、彼があなたの大切にしていたものを心の中から引っ張り出そうとしてくれているから。

茜）
今ね、所くんに言われてまた高校の時にひとりで空を見ながら作っていた詩や歌を、歌い始めてるんだけど、
なんかその時の気持ちが戻ってきたみたいなの。不思議とどんどん詩が浮かんでくるから書き綴ってるんだけど・・。
空や夕日を見るたびに少しずつ今の自分が変わってきているような気もする。
ねえ、オバサン、人ってみんな自分に大切ななにかを持ってるものなの？

占）
大切な何かを持っていることを実感できてる人もいる。
持っているのに気付いていない人もいる。
なにも持ってなくて自分がなにをしたいのかわからず迷っている人もいる。
でもね、持っていないから悪いわけでもなんでもない。
その人にとって大切ななにかを持つのも持たないのもすべてその人が決めることだから。
そうじゃなきゃいけないってことなんて何ひとつないんだよ。

茜）
ふーん。

占）
ところで彼は人に良いように思われたい、
認められたいってことあまりしないだろう。

茜）
ウン。

占）
だからあなたも彼の前ではそうならない。
彼の前では自分に無理しない自然体でいれるんだよ。
その子、いい子だよ。あなたにぴったりの！

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