貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》

ユウ)
舞!どう?お金持ちがさり気なくお洒落してるって感じでイイねー!これに決めた!

店員)
あら、本当。この組み合わせって本当に合いますね!

舞)
結納でお兄さんの奥さんになる人より目立たないようにして、でも存在感があるようにって考えてみたんだけど・・。

ユウ)
いろんな服の中から、パッと合う服を見つけるなんて舞ってすごい!!これって才能だと思うよ。

舞)
そんなことないよ。大げさだよ。才能なんてナイナイ。
(こんなことが才能?それよりも、たくさんの素敵な服に囲まれた、
こんな世界の中で生きていけたら楽しいだろうなって思っているだけなのに・・。)


ユウ)
ケーキ美味しいね。私、食べることだったら詳しいんだけど・・。
今日はありがとう。この服を早くお母さんに見せたいから帰るね!

舞)
・・・。
(ホントは喜んでなかったんじゃないのかな。なんか勝手に私が決めてしまったようでユウは無理してたんじゃないのかな?
本当はあの服、嫌だったのかも・・。自分の好きな服ばっかり見てしまって、もっとユウの意見を聞いてあげればよかったんじゃないのかな。
あ〜、また後悔と孤独感だ。これで嫌われたんじゃないかっていう不安感・・。
彼の時も友達の時も、自分の好きな服のことでこの気持ちを強く感じてしまう。
やっぱり私なんかが服飾やデザインに興味持ってもいい方向にいかないように感じてきちゃった。あー、落ち込んじゃう・・・。
やっぱり、こんなこと考えるのやめようかな〜。そうだ、ここから近いから、またあのオバサンに聞いてみようかな。)


占)
あら、どうしたの?深刻な顔して?元気ないわね〜。手相見せて・・。
ふむふむ、あらこんなに線が濃くなってるよ。
ゆっくりやらなきゃダメって言ったのに、早く進め過ぎちゃったんだね。

舞)はい、自分の才能を信じることってオバサン言ったけど、
やっぱりそんな自信ないし、やめようかなって思う気持ちのほうが強くて・・。
それで相談に来ました。

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