《MUMEI》

パンチパーマはショルダー・タックルのような姿勢でイン(左)側へ深く上体を落としている!

S字クランクでオレに押し返された反省からか、今度は当たり負けしないように体重を乗せて当てるつもりだ。

スモークシールドの奥で、奴の殺気に満ちた目がオレを睨んでいた。


(殺られる!?)

その瞬間、オレの脳裏に16年の人生の出来事が走馬灯のように駆け巡った…。


辛い思い出…楽しい思い出…切ない恋の思い出…


そして心の中で、ふとした人生の悔いが頭をもたげた。

(童貞のまま死ぬのか………。)


そんな思いが頭をよぎった時だった。

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