《MUMEI》
笑顔
授業中、えんぴつをいつ返そうかをずっと考えてた。



社会の授業って本当に眠くなるなぁ。

えんぴつ、いつ返そうか……。








などと、どうでも良いことを考えていたら、あっという間に授業は終わった。




ちらっと宮田くんの方を見ると、猫みたいに思い切り伸びているところだった。


私はえんぴつを返そうと決心し、宮田くんに話しかけた。



「宮田くん。このえんぴつ、宮田くんの?」




宮田くんは私の手から青いえんぴつを取り、


「俺のだ。……ありがとなッ」



と言ってにっこり笑った。宮田くんの笑顔はキラキラしてて、私もこんな風に笑えたらなっと思った。




クラスの人達が言うには、宮田くんは、他の男子より大人っぽくて、独特な雰囲気が漂っているため、皆話しかけずらいらしい。




でも、私は最近宮田くんよく観察し始めて、そんなに話しかけずらくはないなっと思った。

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