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《MUMEI》 「ちょっちょっと!こっちこないで!」 私は後退しながら必死に、ポケットやカバンを探った。 飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴飴 カバンを探していると、指先に丸みを帯びた物が。 えいやっ! と取り出すと、前塾で食べようとして、結局食べなかった飴玉がでてきた。 私は慌てて、それを男の方に投げつけた。 次の瞬間、男はジャンプして、その飴を両手でキャッチした。 犬かっ! 思わず突っ込みたくなるくらい、口でキャッチしていないものの、男の姿が犬の姿とかぶった。 しっかり両手で飴玉をつかんだ男はしゃがみこんで、飴の包みを剥がし、口に入れた。 顔は口元しか見えないけど、たぶん今顔中が幸せな顔してるんだろうなという雰囲気をかもしだしていた。 今なら大丈夫かな? と思い、私は男に話しかけた。 「あの…。」 男はサッとこっちを見た。 「……君だれ?」 と不思議そうに首をかしげた。 人がなんか助けてあげたのに、礼も無しですか…。 「…通りすがりの者です。体大丈夫ですか?」 「体って?」 「さっきまで倒れてて、飴がほしいって言って、騒いでたじゃないですか!」 「……また『飴欲しい欲しい病』がでたんだ…。」 「……飴欲しい欲しい病?」 何?そのネーミングセンスが全く伺えない名前。 「僕、飴食べてないとダメなんだよ…。」 「ダメって?」 「倒れちゃったり、暴れたりするんだよね…。」 つまりそれが『飴欲しい欲しい病』の症状? 「ちなみに『飴欲しい欲しい病』って名前、だれが…。」 「僕がつけたんだよ。いい名前だろ?」 …………。 なんかいろんな意味で嫌な人に会っちゃったな…。 前へ |次へ |
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