《MUMEI》 色彩…その時、何故か…。 歓喜に沸き立つギャラリーの声援が、オレの耳に飛び込んできた…。 ピット・ロードに居た他チームの面々や、ギャラリーの人達が、オレに向かって拍手の嵐を送ってくれていた。 (何で?… …勝ったのはチーム・オレンジやのに…) オレが狐に摘まれた面持ちで、呆然と辺りを見回すと… 白黒に染まっていたオレの視野が徐々にその色を取り戻していった… そしてオレの目に…夕陽に染まる夏の空が映し出され… いつもの鮮やかな色彩に満ち溢れたサーキットの風景が其所にあった…。 いつの間にか"時"の流れも元の静けさを取り戻し、マシンが惰性で風を切る音が、優しくオレを包み込んでいた…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |