《MUMEI》

そしてオレは、呆然とホーム・ストレートの彼方を見渡す………



すると……



前をゆく、逆光を浴びて黒い影となっていたパンチパーマのマシンが………

 

…いや……。

 

正確には、オレが勝手にパンチパーマだと思い込んでいたマシン…



…ゼッケン2… TECH21 カラー…


…YAMAHA YSR が…



…スタイリッシュな水色のカラーリングを取り戻していた…。

 

(…ということは…?)



オレはピットの方を振り向くと…



其所には、はち切れんばかりの笑顔を湛えた兄貴と岡ヤンが抱き合い、子供のように飛び上がって喜んでいた!

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