《MUMEI》

最終コーナーの外側では、オフィシャルの兄ちゃんが、レース旗をクルクル回しながらチェッカーを受けたマシン達の健闘を讃えていた。

それはオレがフリー走行のときに世話になった兄ちゃんだった。

兄ちゃんは、力強く親指を掲げて祝福してくれた。

Official(ヨォ!勝ちまったなー!?オイ!)

オレはその言葉に、ようやくレースが終わったという実感を噛み締めることができた。

オレはメットのバイザーを上げて、満面の笑みを返した…。


後ろから追いついてくる他チームのライダー達も、オレに手を差し延べて祝福を贈ってくれた…。

オレも走りながら彼らと握手を交わした。

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