《MUMEI》

塁羅には3歳以下のことを何にも覚えていない。


小さかったから何も覚えていないのでは、と思うだろう。



しかし、誰だってうっすら覚えているものなのだ。


親の温もり、大好きなぬいぐるみ、好きだった景色。


でも塁羅は何も覚えていない。


塁羅の記憶は、勳羅と会ってから始まる。



「ねぇ塁羅〜!ご飯食べよ!」


勳羅は
重症の親バカだ。

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