《MUMEI》
眠れ…
ピット内でハシャギ回るオレ達3人の傍には、2時間ものレースを供に戦った"戦友"が静かに鎮座している。

イグニッション・スイッチを切られ、赤白の身体を静かに休ませている NSR-50 が其所に居た…。


過酷なレースを走り終え、摩耗したタイヤ…

岡ヤンの深いハングオンで刻まれたチャンバーの凹み…

フリー走行時にオレが転倒した際に割れたスクリーン…

"8"のゼッケンには、他のマシンのオイルが多量に付着していた。


ボロボロになったマシンは、その疲れを癒すように静かに眠っていた。

岡ヤン『コイツもよく頑張ったな。』

バイクやクルマをこよなく愛する者は、時として物言わぬ機械を擬人化して表現することがある。


滑稽な話だ…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫