《MUMEI》

黒薔薇の騎士団は、この豪邸の敷地内にある。



塁羅は外に出たことがないので、黒薔薇の騎士団の建物やどんな人がいるのか知らない。



「勳羅!!」


勳羅はぐいぐいと引っ張って行くのを止め、お姫様だっこをしていた。


「僕は人と関わっちゃダメだ。ダメなんだ…。勳羅…。」


塁羅の目には涙が浮かんでいた。


「俺は塁羅に強くなってほしいんだ。」


「僕は充分に強い…。」


塁羅は自信なさそうに言った。

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