《MUMEI》
ふと背中に慣れたぬくもりを感じた。
直哉の大きな手が俺に触れてきている。
ぼやけた視界で見上げると、俺を見ながら直哉は、笑っていた。
「なお…」
無垢な表情、無償の…愛……。
「違う、他にもいろんなもん貰ってたんだ、今も…
なお、俺強くなるから、迷わないで確り前に進める様な男になるから。
なおが自慢出来る様な男になるから…
ね?
ずっと親友でいさせて?
傍にいさせて?」
優しい笑顔、
あたたかいぬくもり…。
直哉から離れる事が出来なくて抱きしめる腕に力を込める。
弱い心は今日で卒業しよう。
迷う事も、流される事も卒業しよう。
――全ての答えは
今全部出たから。
直哉が導いてくれた。
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