《MUMEI》 . どれくらいの時間が過ぎたでしょう。 勢いがあった大粒の雨も、やがて小降りになってきた頃 「小鳥さん、まだ起きていますか?」 ねこが静かに静寂を破りました。 「起きてますよ。」 すると今度は、小鳥が静かに答えました。 「僕からのお願いも聞いてもらえませんか?」 「何でしょう?私に出来る事でしたら何だって言って下さい。」 小鳥の快い返事に、ねこの気持ちは高まります。 「雨が上がるまでで構いません。どうかお話を聞かせて欲しいのです。」 「お話を?」 小鳥はかわいらしく、小さな首を傾げて見せます。 ねこが何の話を聞きたがっているかって? 決まってるでしょう? 「外の…地上の世界はどんな感じなのですか?」 尋ねるねこの声が、少し切なさを帯びた様に小鳥には聞こえました。 前へ |次へ |
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