《MUMEI》
07
水曜日。朝。
俺はいつも通りに家を出て、歩いて学校へ向かう。


途中にある小さな神社に立ち寄るのが、
俺の日課になっている。



…神木、と言うんだろうか。



その神社には大きなケヤキが立っていて、
俺はその下で少し雨宿りをすることにした。


木陰に入り、大木を見上げる。



この木は何も語らない。

…だから、落ち着く。



…今朝、交通事故があったらしい。



この近くの交差点。

だから、出くわさないよう、遠回りした。




―『あれ』に、出くわさないように。

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