《MUMEI》

オレは、かつて"アクア・サーキット"が在った敷地の側道に車を停めた。



そして呆然と…でも、いた仕方なしといった面持ちで、兵(ツワモノ)共が集った"夢の跡"を見渡した…。



そこには敷地と側道を隔てるように、所々錆びの浮いた緑色のフェンスが張り巡らされている。



それは過去にバック・ストレートに沿うように張られていたフェンスだった。



だがこの場所に当時のまま残されているのは、その古びた金網だけだった。



オレはその向こう側に、短い直線をトップ・スピードで走りゆく、色採りどりのマシン達の幻影を重ねてみる…。



そしてその光景をじっと見つめながら、暫し思い出に耽った…………

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