《MUMEI》
エピローグ
あの夏の日…



ここには小さなサーキットが在った…。




兄貴が居て…



オレが居て…



岡ヤンが居て…



赤白の NSR-50 が居た…。




そして…



ここで走り…



ここで汗を流し…



ここで笑い…



ここで悩み…



ここで痛み…



ここで苦しみ…



ここで怒り…



ここで興奮し…



ここで叫び…



ここで焦り…



ここで泣き…



ここで歓喜した…。




いま…



この場所には、アルミ建材の工場が建っていて、サーキットの面影すら残されていない。




ただ…



其所にあるのは、胸の奥が熱く…切なくなる様な、鮮烈過ぎる思い出だけだった……………。




       ― 完 ―

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