《MUMEI》
『ミズキ』と『ミズキ』
「ミズキ……?オレと名前が」

「一緒みたいですね」

最初は先輩に頼るのをすごく躊躇った。同じ名前の『ミズキ』

「それしか情報はありません。でも両親のあの様子じゃきっと知り合いとかで、もしかしたらいつか会うことがあるって思ったんです。だからそのいつかのために…僕は強くなって、母の女としての美しさ奪ったそいつに復讐しようって決めました」


先輩は何も言わない。初めて誰かにこのことを話したから、反応が気になっていたんだけど。


「絶対にそいつを殴れるか?そいつがもしも……」


先輩は黙る。どうしたんだろう。


「やっぱなんでもない。頑張るんだぞ」


何を言おうとしたのか気になったけど、先輩の空気がそれを許さない感じだったから僕はうんと頷いた。

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