《MUMEI》
約束
「明日、早速課題持ってくるからな。課題をこなしてその後豆テストをする。で、オレの決めた点数以上の点が取れたらケンカの仕方を教えてく。…わかった?」

「わ……わかりましたっ」

「そんなに難しいものじゃないから安心しろ」

頭を撫でられる。完全に子ども扱い。

「もう先輩!小さい子扱い止めてくださいよ」

はははと笑う先輩。笑い事じゃないってば!



「そろそろ、オレの顔見てくれてもいいんじゃないか?」

「!」

気づいてたんだ…。


「先輩がお、大きくて…しかも逆光だったから見たくても見れなかったんです………」

本当は見るのが怖かっただけなのに。

「これで見える?」


突然、目の前に先輩の顔。


僕は固まってしまった。――ふたつの理由で。

「泉くん?」


「と―……」

「と?」







父さん…?

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