《MUMEI》

世界には自分と同じ顔の人間が3人いるって聞いたことがある。


ドッペルゲンガーとかそういう話もある。


この人は絶対に父さんのそれだ。


「泉くーん?」

困った顔をする先輩に慌てて笑顔を見せた。

「大丈夫です。すみません」

そう?と不思議がる先輩と携帯番号を交換し、その日は別れた。




夢みたいな一日だった。


あの吾妻瑞季とこんなに仲良くなれて、しかも初対面で意味わかんないことを言った僕を受け入れてくれた。


噂を聞く限りでは、すごく怖いイメージがあったのに真逆。




偏差値はクラクラする程高いけど、梅田高校に行ってよかった。

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