《MUMEI》
三択
@ごまかす

Aカミングアウト

B事情を説明した上で、口止めする


「う〜〜ん」

俺は、頭を抱えていた。

もうすぐ、彼女がここへやってくる。

彼女、と言っても、付き合っているわけではない。
ただ単に『女だから』、彼女と表現しているだけだ。

彼女の名前は、高山 志穂と言う。
年齢は25歳。
俺との関係は、『中学の同級生』。
当時は、特に仲が良いというわけではなかった。
それは、今もなのだが…


(高山頭良かったしな〜、女はカンがいいから@は無理かな…)

「…い」

(かと言ってAは勇気いるしな〜)

絶対無理だと、首を左右に振る。

「おい」

「やっぱ、Bが無難かな」思わず呟く。

「おい!」
「うわぁ!」


大声で話しかけられ、驚いて思わず叫んでしまった。
周囲の客が一斉にこちらを見る。


ちなみに、待ち合わせ場所であるここは、全国チェーンの居酒屋。
週末の夜なので、そこそこ混んでいる。

(しまった…)

「まったく」
ため息と共に、彼は俺の隣に座る。

何故隣かと言えば、向かい側には彼女が座る(…と思う)からだ。

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