《MUMEI》

俺は、兄一人・妹一人の三人兄妹で、一つ年下の妹からは、『華奢で羨ましい』と言われるが、当然嬉しくは無かった。

ちなみに、祐希は男ばかりの三人兄弟の末っ子だ。

「なぁー祐希」
「うん?」

俺は、祐希に俺の中にある三つの選択肢の話をした。
「お前だったらどうする?」
「A」

「あぁ、『ゆうき』なだけにねって…」

俺は真っ赤になって、口をパクパクさせた。

(お前、それでいいのか?!)

言いたいが、動揺して、言葉にならない。

「俺は別に構わないよ」
「俺は構う!」

サラリと言う祐希に、俺が即答すると、祐希がクスクスと笑う。

「笑い事じゃない!」
「ごめん、ごめん」

軽い口調で祐希が謝った時

「いらっしゃいませ」
「待ち合わせなんですけど…」



高山が、店に入ってきた。

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