《MUMEI》
自由になりたい
小鳥が見えなくなると、ねこの目から涙が溢れてきました。


我慢した分、もう堪えることが出来なくなって、涙は水溜まりをつくります。




ニャーニャーニャー。




『あらあら、お腹が空いたのね。』


家の中からお母さんが出て来ました。
手にはねこのご飯を持ってます。




ニャーニャーニャー。




『はいはい、どうぞ。』




お母さんはねこのご飯を地面に置くと、そそくさと家の中へと入って行きました。




ニャーニャーニャー




「ご飯じゃないよ。お腹なんか空いてない。それより縄を解いてよ。」




ニャーニャーニャー




「首輪を取ってよ…。」




ニャーニャーニャー




「僕を自由にしてよ!」





声が枯れるくらい鳴いたって、人間にねこの言葉が届くはずがありませんでした。

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