《MUMEI》

「…久しぶり」

と、健志に紹介された女性は照れながら、挨拶した。






え〜と




今、健志、「高山」って言ったよなぁ。



確かに、女性は背が高かった。

高山も、高かった。

でも…


髪はこんなにサラサラじゃなくて、長くもなかった。
トレードマークの、黒ぶち眼鏡もしていない。

そして、何より、こんなに…


細くはなかった。


皆の記憶の中の『たかまる』の面影は、

そこには、何も

何一つ


残っていなかった。

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