《MUMEI》
佐伯視点
「スイートルームなんて初めて生で見た、凄い、はあ…」




裕斗君は、ソファに座りながら落ち着きなくずっとキョロキョロしてる。




俺は水割りを彼に差し出した。



「あ、有難うございます」




「なくなったら次はセルフね、あ、見て良いよ部屋、そこの扉の先にも部屋が有るんだよ?」




「えー!凄い!いいんですか?」




俺がニッコリ頷くと裕斗君は安心した様に自然に笑い、部屋を物色しはじめた。






今俺が水割りを作ったバーカウンターに飾られているミニチュアの酒類達に感動したり、自分の部屋とベッドの質まで違うだのトイレに住みたいだとか大騒ぎ。






容姿は激烈に綺麗だけど中身は普通の19の男の子だなって、和みさえ感じた。






なんかノンケの秀幸が惚れたのも分かるな、間近で見て分かった。





こんなに綺麗な子、女でだってなかなか居ない。






いや、それよりも仕草や表情がなんとも無邪気で可愛いくてゾクゾクする。






アイツの息子じゃなかったら頭からかぶりついて足の先まで食べ尽くしたい位美味しそうな子猫ちゃんだ。




ていうかスイートなんか秀幸に言えば好きなだけ泊まらせてくれたろうに…。





まーあんな男に抱かれなきゃならないのと引き替えにはなるけど。





裕斗君は一通り見て満足すると一緒に水割りを飲みだした。






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